Column

#37


by marcy B  

 

新旧の敵

ネズミという新たなる敵の出現。
昨年、一昨年はカナブン(コガネムシ)だった。
バルコニーで育てている樹木の葉、
特に柔らかい葉を喰いあさった。
被害が甚大だったのはプルーンの木2本で、
葉を全部食い尽くされ、1本は枯れてしまった。

昨年までは朝晩、カナブンを見つけると
BBQ用のトングで挟んで潰していた。
しかし、1匹捕まえている間に、
他のカナブンがポロポロと木の下に落ち、
逃げられることも多く効率が悪かった。

そこで今年エアガンを導入。
KSC社製GLOCK-17。
6月、今年最初の1匹目を発見し、
GLOCKの餌食にした。
これだと他のカナブンに影響なく退治できる。

しかし、

これには欠点があった。
発見してから部屋に戻り、
ケースからGLOCKを取り出し、
マガジンに弾を詰め、
ボンベのガスを注入する。
いざ戦闘開始!
と、それまでに5分以上かかってしまう。
準備している間に逃げられる可能性が大だ。
そういう意味では非常に効率が悪い。

前もって弾を詰め、ガスを装填しておくことも考えたのだが、
カナブンがいなかった場合、
マガジンのバネが伸びないように全弾を抜き、
ガスも全て放出しなければならないので、
さらに効率が悪い。
なので発見してから準備するしかない。

今年初の犠牲虫は、5分以上経っても
相変わらず同じ葉を食べていた。

狙いを定め、トリガー(引き金)を引く。
撃った瞬間、カナブンの姿はなくなっていた。
なので生死の確認ができないが、
エアガンのパワーからすると即死状態だと思う。
もちろん、気分は良くない。

今年、5匹目をヒットした後、
カナブンたちは姿を見ることはなくなった。
昨年まで、毎晩、10数匹いたのが嘘のようだ。
殺戮数でいえば昨年の方が圧倒的に多かったのに
今年は5匹で襲撃は終わった。

まあ、このエアガンによるサーチ&デストロイは、
子どもがやりたがったり、真似をしたりすると困るので、
息子が寝てからのミッションとなった。
暗闇の中、ライトで木を照らしながら探すので、
カナブンが飛んでくることもあり、
驚いてこけそうになったことが何度もあった。
カナブンとわかっていても

背筋がゾッとする。

また、深夜、ライトをつけながら
片手にエアガンを持つ姿、
他のマンションの住人に目撃されたら、
この風体からしてまったく怪しい。
警察に通報されても何もいえないので、
5匹で終わってくれて本当に良かった。

そして今年、新たな敵、ネズミの出現。
ネズミ版ゴキブリホイホイにはまったくかかっていない。
カブトムシは大きいせいか被害にはあっていないが、
卵から孵った幼虫はネズミの標的になる。

もしネズミを発見した場合、
はたしてエアガンで退治できるだろうか。
次元大介ではないので、
素早く動くネズミを射止めるなど不可能だ。

下手な鉄砲も数撃てば当たる

ならば電動エアガン、
接近戦ならH&K_MPー5KA4の
サブマシンガンを購入するしかないのか。
本人的にはとても良い話しで嬉しいが、
でも間違いなく警察に通報される。

これまで無益な殺生はしない主義を通してきた。
まあ、蚊やゴキブリはいたしかたないが、
それ以外の生き物を殺(あや)めることは滅多になかった。
が、のさばらかしていると被害を被る。
やるしかなかった。

それにしてもカブトムシとカナブン、
外見上、雌だけ見たら大きさの違いしかない。
なのにこれだけ扱いが違う。
一方は手厚く保護し、一方は一撃必殺の標的。
人間のエゴこそ、
人間以外の動植物の敵なんだとつくづく思う。


(20/9/2005)


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