Column

#30


by marcy B  

 

カルチャーショック

先日、築地場外側にあるラーメン屋さんで妻と昼食をとっていた時のこと。
カウンターのみのお店に2人の外国人観光客が恐る恐る入ってきた。
お見かけするに70歳は優に越えている老夫婦だった。
多分、団体で東京観光の途中、築地魚河岸を見学し、
ランチは自由行動になったのだろう。
そういえばラーメンが出てくるのを待っていた時、
背後から日本人が英語で何か説明している声が聞こえていた。

この外国人の老夫婦、勇気を出して入ってはみたものの、
日本語のメニューしかなく、

途方に暮れていた

たまたま私たちの隣りに座ったので、
どれがオススメかと男性が恐る恐る英語で聞いてきた。

オススメと言われてもなあ・・・と思いつつ、

この店のメニューは、醤油、塩、味噌の3品。
あとはチャーシューや煮玉子などのオプションになる。
私はいつも醤油、妻は塩と好みが違っていた。
日本人でもラーメンの好みは難しいのに・・・
まあ、聞かれた以上、答えなければと

I like shoyu ramen.
と、言って自分が食べているラーメンを指さした。

Shoyu?

Ah, tast of soy sauce.

Ok,・・・what's that?

と妻が食べていた塩ラーメンを指さした。
どうやらスープの色の違いはわかるようだ。

Ah・・・ taste of solt.

Solt・・・??? What's that?

こんどは我々とは反対に座っているサラリーマン風の男性が食べている
味噌ラーメンを聞いてきた。

はて、味噌はソイビーン・・・なんだったっけ?

Ah・・・・・soybeen・・・・・Ah・・・・・paste.

しばらくしてようやく出た単語、
果たしてわかってもらえたのだろうか。

Oh・・・

怪訝そうな顔したので
多分、わかってもらえたのだろう。

結局、2人とも醤油ラーメンを注文した。

しばらくすると注文したラーメンが出てきた。
しかし、この奥さんは、ラーメンの器を見据えたまま
完全にかたまっていた。

Freeze!

箸も使えないようだったので、お節介をやきフォークを頼むと、
「うちにはフォークはないんですよ」とすまなそうに言うご主人。
それでもしばらくして、ご主人がどこからかプラスチックのフォークを探して出してくれた。

そんなご主人の親切な行為にも
まるで異次元空間に迷い込んだかのようで無反応な2人。

聞けばロスアンジェルスから来たという。
やたらフレンドリーなアメリカ人も困るけど、
このご夫婦はまったく不思議の国のアリス状態だった。
ロスになら日本人も多く、日本人街でラーメンだってあるだろうに。

とはいえ、わざわざ日本へ観光に来ているのだから
楽しい想い出と共に、 少しは日本を理解して帰ってほしいもの。

郷に入らば郷に従え。

When in Rome,do as the Romans do.

これ、旅行者の鉄則でしょう。
でも、あのご夫婦を見ていた限り、

カルチャーショックを受けていたのだけは

No doubt!

そんなアメリカ人を見て、

こちらもカルチャーショックを受けた

やはりお互いの国を理解するのは難しい。

Disappointing!

 

※ラーメン北都 中央区築地4-7-5 電話:03-3541-8610
(旭川系)   11時から19時 醤油ラーメン680円、煮玉子100円(オプション)

(01/06/2005)


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