Column

#25


by marcy B  

 

在庫一掃セール


3月10日は、10万人もの一般市民が犠牲になった
東京大空襲から60年目だった。
基地や軍事施設・工場を狙ったのではなく、
木造住宅が密集する下町を焼夷弾で無差別に焼き払ったのだ。
たった一晩で10万人もの民間人を殺戮する、
戦争という悲劇だ。

子どもの頃、映画「駅馬車」を観た時、
ジョン・ウェインは正義の象徴だった。
悪をやっつけるカッコいいヒーローだと思った。

いまはどうだろう、パブリックエネミーの歌ではないが、
ジョン・ウェインはネイティブ・アメリカンを虐殺した
侵略者・白人のドン
だ。
ネイティブの人々の土地に勝手に入り込み、
出て行けと警告しに来た罪のない人々を、
ウインチェスター・ライフルやコルト・ピースメーカーで、
弓や斧の相手にバンバン撃ちまくり殺戮した。
なにがピースメーカー(平和をもたらす銃)だ。
米国式国威発揚を狙った映画による「擦り込み」にまんまとだまされていた。

まあ、ジョン・ウェインはスクリーン上での話しだが、
根本的に米国人の本質は変わっていない。
その証拠に時代が変わっても歴史は繰り返されている。
朝鮮半島、ベトナム、パナマ、ソマリア、アフガニスタン、中東、イラクなど次々に場所を変え、
ジョン・ウェインを気取った大統領の号令のもとに、
騎兵隊ならぬヘリに乗って米軍を次々に送りこんでいった。
当事者が望もうと、望むまいと。
そしてどれくらいの命が奪われたのだろう?
世界の保安官を自負する米国が平和を守るという名目のもとに。
米軍が備蓄している武器弾薬の有効期限切れになる前に、
在庫一掃のドンパチ
をやっているとしか思えない。

映画「インディペンデンス・デイ」や「ハルマゲドン」も、「駅馬車」と同じだ。
国のため、世界のため、地球のために命をかけるという国威発揚の「擦り込み」映画だ。
米国民の気持ちを高揚させているのだ。
また似たような映画が制作されれば、
どこかで戦争が始まる前兆だ。
間違いない、気をつけろ!

独裁者サダム・フセインと金日成とどう違いがあるのだろう。
イラクにあって、北朝鮮にないもの。
地下資源、つまり石油だ。
ありもしない大量破壊兵器をでっち上げ、
国連を無視して開戦に踏み切ったのに、
その一方で、 自ら核の所有をほのめかし、
人民が圧政に苦しみ、飢えていようが関係ないのだ。
沖縄をはじめ、日本各地の米軍基地を存続するためには、
核ミサイルという駒を持った
独裁者は野放しにしておいた方が
都合がよいのだ。
なんでマイケル・ジャクソンは
そんな白人になりたがっているのか理解できない。
アウッ!

(15/03/2005)


Copyright (C )2005 studio Bronx Inc. All Rights Reserved.