Column

#19


by marcy B  

 

高齢化社会


先日、スタッフと事務所の近所にランチを食べに行った時のこと。
注文を終え、料理が来るのを待っていると、
見るからに70過ぎのご老人3人が店に入ってきて、隣りの席に座った。
男性1人、女性2人、
どう見ても洋食屋には場違いな感じがした。
最高齢と思われるご婦人は腰が曲がっていて、
テーブルと目線が同じ高さだった。
その老婦人が注文を取りに来たウエイトレスに
「私はケチャップのかかったスパゲッテー」といった。
「ナポリタンですね」と確認したウエイトレスに、
「ああ、それ、大盛りで」。
一瞬耳を疑った。
すると男性の方も「私はオムライス、大盛りで」といった。
もう1人のご婦人はデミグラソースかけメンチカツを注文した。
このお店は大盛りにしても値段が変わらない良心的なのだが、
無料とはいえかなりの量がある。
大盛りなんて注文して大丈夫なの? 
とこちらが心配になってしまった。
普段、我々ですら、よほどお腹がすいていない限り大盛りは注文しない。
普通でも1人前で十分お腹いっぱいになる。
しかも、ご老人たちはメニューもよく見ず注文していたので、
お店にはよくきているように見うけられた。
と、いうことはそのボリュームを知っているはず。
そうこうするうちにメンチカツが先に来た。
サラリーマンが多いので、丼いっぱいにご飯が盛ってある。
それを見て、最高齢と思われるご婦人が
「ご飯おかわりできるからね」とさも物足りなそうにいった。
もう、唖然としてスタッフと顔を見合わせてしまった。
まさか丼飯2杯も食べるなんて・・・。
結局、食べ終わった我々が先に店を出てしまったので
最後まで見届けられなかったが、
多分、みんな完食し、丼飯もおかわりしたのだろう。
食欲旺盛で元気なご老人たち、
ちょっと尻を蹴飛ばされた気がした。
恐るべし、老人パワー。

(18/11/2004)


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